SSブログ

ニューイヤー 駅伝 2013 区間 出場者 [スポーツ]

Sponsored link

31日午後に 区間エントリー が発表され、6区で注目の対決が実現した。ロンドン五輪代表で、3年連続区間賞継続中の佐藤悠基と、学生時代に“山の神”と呼ばれた大物新人の柏原竜二。閉会式後のTBS取材で一緒になったときに、2人の間で次のようなやりとりがあった。
佐藤「柏原君は箱根駅伝(山登りで4年連続区間賞)のインパクトもあるけど、底力があるという印象。高校時代に全国都道府県対抗男子駅伝でも(1区区間賞と)強かったし、僕と違って調子の波が小さい」
柏原「佐藤さんは天才タイプ。真似したくても真似できません」
佐藤「(おだてても)力は抜かないよ(笑)。(2人で)学生駅伝よりもレベルが高いことを見せたいよね」
2人の他にも、旭化成はアテネ五輪代表だった大野龍二、コニカミノルタは若手成長株で3区も予想されていた新田良太郎を起用。12.5kmと短めの距離で“つなぎ区間”と見られているのが6区。優勝候補チームの大物選手がここまで集まったのは初めてだろう。
だが、両選手とも万全の状態ではない。佐藤が「2人とも手負いだね」と声を掛けているくらいだ。それが本番の走りにどう影響するか。優勝争いの行方を左右することになる可能性もある。
6区を「勝負どころ」と位置づける富士通
日清食品グループの佐藤起用は、積極的な理由ではない。11月末に左脚ふくらはぎを肉離れしてしまい、完全な状態に戻すことができなかった。「1週間で練習に戻れると思っていましたが、3週間かかってしまった」(佐藤)
スタッフ間では起用は難しいという方向に傾きつつあったが、12月15日頃から練習の強度を上げられるようになると、一気に調子が戻ってきた。さすがに3~5区は無理だが、「6区なら負担が軽い」(白水昭興監督)ということで出場に踏み切った。
練習がいまひとつでも、レースになるときっちり走れるのが佐藤の特徴でもある。そこに期待する部分もあっての起用だろう。
日清食品グループは前回1区区間賞の若松儀裕も、左足甲の疲労骨折で戦線離脱。佐藤が2年連続区間賞を獲得してきた4区は、前回5区区間賞の高瀬無量が走る。その高瀬も3月のびわ湖マラソン以降、故障が続いてレースに出場していない。「練習ができてきたし、確実につなげる選手」(白水監督)ということで最長区間に起用された。
1区の北村聡、3区の小野裕幸と、スピードのある2人が前半でどこまで好位置につけられるか。前回優勝時はメンバーから外れた2人の奮起が期待される。「全員が(ゴルフの)パーで行かないと勝てない」と白水監督。
平均的に力を出し切った上で、どこかで貯金を作らないといけない。白水監督は明言しなかったが、それが期待できるのは“つなぎ”区間に五輪代表が出場する6区だろう。
対照的に富士通は、「6区に勝負どころが来る」(福嶋正監督)と読んでの柏原起用だ。元から6区を重視してきたチーム。2009年の優勝時は阿久津尚二が区間2位、2年前も阿久津が区間賞と快走してきた。
「そこでトップに立ちたいですね。柏原は(アキレス腱の痛みで)11月末まで1カ月追い込んだ練習ができませんでしたが、状態は良くなって来て、もう大丈夫です。5区でも行けたと思いますが、高嶺(秀仁)も良いので、柏原を6区に回すことができました」
本格練習を再開して2週間の佐藤と、1カ月の柏原。その差が消極的な起用と、積極的な起用という違いになった。だが、2人の勝負という点では面白くなった。
1万mのベスト記録では40秒以上の差がある。6区を普通に走ったら佐藤の圧勝だろう。しかし今回は故障明け。向かい風が強いことを考えたら、例年見せる超高速の入りは難しい。
一方の柏原も最初から思いきって突っ込むタイプだが、基礎となるスピードは佐藤に劣る。佐藤がいつもより遅く入れば、同程度のスピードとなる可能性がある。
今大会最大の注目選手2人が後半区間で、それも優勝狙える位置でデッドヒートを展開する可能性が出てきた。
前半型のトヨタ自動車とレース展開
旭化成は 第4回 でも紹介したように、インターナショナル区間の2区に鎧坂を起用。外国人選手たちに挑む。「区間1位と何秒差と考えるのではなく、3区への中継時でトップと1分以内差で渡したい。そうすれば後半区間の人たちが走りやすくなります」
3区は前回の宇賀地や宮脇千博(トヨタ自動車)のようなビッグネームが出場しないので、全日本実業団1万m日本人3位の深津で20~30秒追い上げたい。4、5区は堀端と佐々木悟のマラソン選手。第4回で紹介したように、旭化成では“つなぎ”の区間となる。そして他チームの力が落ちる6、7区で逆転する。出口は「ラスト勝負になったら負けない」と自信を見せる。
コニカミノルタはできれば、佐藤や宮脇が他の区間に回ったので、4区の宇賀地でトップに立ちたい。6区の新田は「トップでタスキを受けると思っていますが、後ろでスタートしても追いつくか、抜く走りをしたい」と勝負を楽しみにしている。
磯松コーチは「20秒差でもアンカーの松宮で逆転できる。風があれば30秒差でも行ける」と、ベテランにも期待をよせる。
日清食品グループは例年のように、佐藤で一気に遅れを挽回することはできない。全員がつないでいって6区の佐藤で抜け出すことができるかどうか。富士通は平均型だけに、トップに立つとしたら6区か7区だろう。
ここまでの4チームとは対照的に、前半でリードしたいのがトヨタ自動車だ。1区に前回3区区間賞の宮脇、3区に2年前の3区区間賞の高林祐介、27分台ランナー2人を配した。
宮脇が10月の世界ハーフから内蔵疲労が残るようになり、11月は3週間完全休養した。12月に入って徐々に復調しているが、「無理はできない」(佐藤敏信監督)ということで、2年前に区間4位と好走した1区に回った。絶好調でなくとも、レースになると力を発揮するタイプ。宮脇の力を持ってすれば、区間賞は難しくない。
3区の高林が中部予選でブレーキを起こし、本人も「走りのバランスが狂っている」と苦しんだが、直前になって「やっと自分の走りになってきた」と手応えを得ている。
佐藤監督も「3区は高林が一番走りやすい区間。彼の中のモヤモヤをなくしてほしい。3区を終わって30秒はリードがほしいですね。4区で宇賀地君に30秒前に行かれても、見える位置なら勝負ができる」と、レースの流れを高林に託している。
1区で宮脇の飛び出しはあるのか?
6区を中心に展望してきたが、レース展開を左右しそうなポイントはいくつも予想できる。まずは1区。例年のようにスローペースになるのか、逆にハイペースとなるか。可能性があるのは宮脇が中盤でスパートするケース。
佐藤監督は「そこは秘密です。オーダーを見て決めようと、本人とも話しています。旭化成の大西君や、日清食品グループの北村君らをどう予想するか」と話す。宮脇の動きからは目が離せないだろう。
2区は旭化成の鎧坂以外にも、1万m27分台ランナーの松岡佑起(大塚製薬)、東日本予選のインターナショナル区間で区間4位と快走した三田裕介(JR東日本)もエントリー。「3人で頑張りますよ」と三田。3区はビッグネームが少ないだけに、どの選手にもチャンスがある。
4区は佐藤監督が「うちの外丸(和輝)も含めて、旭化成の堀端君、日清食品の高瀬君とロード型が多い」というのが今回の特徴。ロンドン五輪マラソン6位の中本健太郎(安川電機)、同じくマラソン代表だった山本亮(佐川急便)も出場する。
トラック型は宇賀地のほかに、木原真佐人(カネボウ)もいる。元祖“山の神”の今井正人(トヨタ自動車九州)、シカゴマラソンで2時間10分40秒を記録した小林光二(SUBARU)はロード型。前田和浩(九電工)はトラックとマラソンの両方で世界陸上代表経験がある。佐藤と宮脇がいなくても、エース区間であることに変わりはない。
5区が手薄になった印象が否めないが、安定している大石港与(トヨタ自動車)や、27分台ランナーの三津谷祐(トヨタ自動車九州)、実績のある保科光作(日清食品グループ)らがどんな走りをするか。
そしてアンカーの7区は旭化成の出口、コニカミノルタの松宮以外にも、富士通がキャプテンの福井誠、トヨタ自動車がテグ世界陸上マラソン代表だった尾田賢典、日清食品グループが前回も優勝テープを切った安西秀幸と、どこも勝負を意識した人選をしてきた。
6区に注目選手が集まったことで、例年とは違う視点も持って楽しめそうなニューイヤー駅伝。2013年元旦、9時10分に熱戦の火蓋が切って落とされる。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。